近年のふるさと納税の動向

総務省によりますと、令和2年度のふるさと納税の件数は3488万件、寄附額は前年比38%増の6724億円で2年ぶりに増加し、いずれも過去最高。令和3年度の住民税控除額は4311億円、控除適用者数は552万人で、過去最高です。

ふるさと納税とは

納税という名称ですが制度上の実態は寄附であり、任意の自治体に寄附をして、その寄附金額を現に居住する地方自治体へ申告することにより寄附分が控除できるこの制度をもって、希望自治体に事実上の納税をするというものです。

メリットとデメリット

国民が自ら税の使い方を選べる、生まれ故郷を離れていてもその地域に貢献することができるなど数々のメリットはありますが、次のようなデメリットもあります。

①行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」の観点からはずれてしまう。

②自治体の税務が煩雑になる。

➂根本的な地方活性化や地方間格差を是正するための対策にはなっていない。

④制度利用者の関心が返礼品に集中しており、実質財源を必要とする自治体への寄附が行われていないのではとの声もある。

ワンストップ特例制度

ワンストップ特例制度は、確定申告の不要な給与所得者(年収2000万円以下のサラリーマンや年収400万円以下の年金受給者など)が行う5自治体以内のふるさと納税であれば、各自治体に特例の適用に関する申請書を提出することを条件に、確定申告をしなくても住民税の寄附金税額控除を受けられる制度です。

なお同一自治体への寄付は、何度寄付をしても1自治体としてみられることから、他に4自治体への寄附することが可能です。ただし同一自治体の寄附であっても寄付の都度自治体にワンストップ特例の申請をする必要があります。

留意点

ふるさと納税は、返礼品やその使途のあり方に問題がある一方で、近年の大規模災害への災害支援寄附に対し、自主的な活動として機能した事実は大きいと思われます。

今後この制度がその見直しと意識変革の中で健全に発展していくことが期待されます。

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