社会保険料・労働保険料の税務上の取扱い

社会保険料の税務上の取扱い

社会保険料の事業主(会社)負担分については、その社会保険料の計算の基礎となった月の末日の属する事業年度の損金の額に算入することができることとされています。

社会保険料の納付期限は、翌月末日とされていますので、例えば3月決算法人であれば3月分の保険料(納付期限は430)について、未払計上することにより損金の額に算入することができます。

また、2月分の保険料(納付期限は331)についても、331日が土曜日や日曜日など金融機関の休業日に当たり、口座引き落としが4月になった場合には、未払計上することにより、損金の額に算入することができます。

一方で、未払計上した決算賞与に係る社会保険料については、例えば3月末日に決算賞与を未払計上したとすると、賞与を支払った月の末日、つまりは4月末日において社会保険料の支払債務が確定することになるので、未払計上により損金算入することはできません。

このほか、決算日が末日でない場合、例えば315日が決算日とすると、3月分の社会保険料は支払債務が確定していないので損金算入することはできません。

労働保険料の税務上の取扱い

労働保険料(雇用保険料、労働者災害補償保険料)については、概算保険料、確定保険料の別に応じて、次のように、取り扱うこととされています。

(1)概算保険料

概算保険料の額のうち、被保険者が負担すべき部分の金額は立替金等として、会社が負担すべき金額は概算保険料申告書を提出した日又はこれを納付した日の属する事業年度の損金の額に算入します。

(2)確定保険料-不足額発生の場合

確定保険料に係る不足額のうち会社が負担すべき部分の金額は、確定保険料申告書を提出した日又はこれを納付した日の属する事業年度の損金の額に算入します。

ただし、その事業年度終了の日以前に終了した保険年度に係る確定保険料について生じた不足額については、申告書の提出前であっても、未払計上することにより、損金の額に算入することができます。

(3)確定保険料-超過額発生の場合

概算保険料の額が確定保険料の額を超える部分の金額のうち会社が負担した金額については、確定保険料申告書を提出した日の属する事業年度の益金の額に算入します。

申告書の提出期間、納付期限

労働保険料概算・確定保険料申告書の提出期間は、61日から710日までとされています。概算保険料の納付期限については、710日ですが、概算保険料が40万円(労災保険、雇用保険の一方のみの場合には20万円)以上の場合等には、延納(分割納付)が可能で、3(1期は710日まで、第2期は1031日まで、第3期は131日まで)に分けて、3等分した額を納付することができます。

追徴金や延滞金

租税公課については、原則として損金の額に算入されますが、法人税法では損金不算入となる租税公課について限定列挙しています。

それにより、法人税や法人住民税の本税、加算税()、延滞税()、罰金、科金、過料、独占禁止法の課徴金などは、損金不算入とされていますが、労働保険料や社会保険料の納付が遅れたことによる追徴金や延滞金については、その限定列挙に含まれていないことから、損金の額に算入されます。

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