節税保険の通達改正

通達改正の背景

経営者向けの定期保険と第三分野保険に係る保険料の税務取扱いを一本化する法人税基本通達(法令解釈通達)の一部改正が令和元年6月下旬にホームページで公表されました。

近年、保険会社において本来の保険の趣旨とは異なる節税を目的とした保険商品が販売されており、この行き過ぎた節税目的の保険商品については、国税庁において個別通達による規制を行っていましたが、通達をかいくぐるような保険商品が開発され、その度に個別通達が見直されるといった保険会社と国税庁とのいたちごっこの状況が続いておりました。

このような中、国税庁は個別通達を廃止して基本通達の改正を行うことにより保険料の損金算入に関するルールを抜本的に見直しました。

適用時期が二段階

①今般の改正通達は令和元年78日以後の適用となります。一方、②年換算保険料相当額30万円以下は適用除外とする規定の適用は108日以後の契約からとなります。

令和元年7月8日以後の適用

第一分野を生命保険固有分野とし、終身保険や定期保険、養老保険がその具体例となります。

第二分野を損害保険固有分野とし、火災保険や自動車保険がその具体例となります。

第三分野は、前記2つの分野の中間に位置し、医療保険やがん保険に代表される特定疾病保険、民間介護保険がその具体例となります。いわゆる法人向けの「節税保険」の取扱いに関する法令解釈通達です。

令和元年10月8日以後の契約

返戻金相当額のない短期払いの定期保険または第三分野保険は、その事業年度の支払保険料の額が30万円以下のものについて、その支払った事業年度の損金の額に算入することを認める定めを追加したことから、この件に関してはその内容の周知期間が必要だとして、二段階目となりました。

国税庁ホームページのFAQ

国税庁は、今回の保険料の取扱いに関するFAQをホームページで公表しています。FAQは全部で20問で、その構成はおおむね次のようなものです。

適用時期、当期分支払保険料の額、資産計上時期と取崩期間、(最高)解約返戻金相当額、年換算保険料相当額が30万円以下の場合、最高解約返礼率が85%超となった場合の資産計上時期、契約内容の変更、解約返戻金相当額のない短期払いの定期保険または第三分野保険等々に回答しています。

今後の方向性

今回の改正により過熱していた節税保険の販売が停止となり、一応の終息をむかえることになりました。今後の動向として、新しい概念の節税保険が誕生するようなことはあるのか注視していく必要があるでしょう。

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