不納付加算税について
不納付加算税の賦課
給与や一定の報酬等を支払った場合には、所得税等の源泉徴収と納付が義務づけられていますが、源泉徴収した所得税等を法定納期限までに納付しなかった場合には、納税額の10%(税務調査があったことにより告知があるべきことを予知してされたものでないときは5%)の不納付加算税が賦課されます。
ただし、次の場合には、不納付加算税は賦課されません。
①期限後納付について、正当な理由があると認められる場合
②期限後納付について、その納付が法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合で、かつ、法定納期限から一ヶ月以内に納付されたものであるとき
③計算された不納付加算税の金額が5千円未満である場合
納税の告知を予知しない場合
税務調査後の自主納付は、原則として、告知があるべきことを予知してされたものに該当しますが、次の場合は、原則として、告知があるべきことを予知してされたものには該当しません。
①税務調査の日時の連絡を受けた段階で自主納付した場合
②納付確認(臨場によるものを除く)を受けた結果、自主納付した場合
③説明会等により一般的な説明を受けた結果、自主納付した場合
正当な理由があると認められる場合
たとえば、次のような場合には、期限後納付について、正当な理由があると認められる場合に該当するものとして取り扱うこととされています。
①法の解釈に関し、給与等の支払後取扱いが公表されたため、その公表された取扱いと源泉徴収義務者の解釈とが異なることとなった場合において、その源泉徴収義務者の解釈について相当の理由があると認められるとき
ただし、税法の不知、誤解、事実誤認に基づくものはこれには当たりません
②給与所得者の扶養控除等申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書又は給与所得者の保険料控除申告書等に基づいてした控除が過大であった等の場合において、これらの申告書に基づき控除したことについて源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由があると認められないとき
③災害、交通・通信の途絶その他法定納期限内に納付しなかったことについて真にやむを得ない事由があると認められるとき
法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合
法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合とは、その法定納期限前一年間に法定納期限が到来する国税について、納税の告知を受けたことがなく、法定納期限後に納付したことがない場合をいいます。
重加算税
納税者が事実の全部または一部を隠ぺいし、または、仮装して法定納期限までに納付しなかったときは、不納付加算税に代えて、重加算税(税額の35%)が賦課されます。
終わりに
源泉所得税を納期限までに支払わなかった場合において、納期の特例を適用している又は従業員数が多いことなどにより、源泉所得税額が多額となると不納付加算税の負担も大きくなってしまいます。また、不納付加算税のほかに延滞税も課されてしまいます。不納付加算税を課されないためには、期限内に納付することが大切です。
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